144人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
何故、あの新撰組隊士[沖田総司]と、文字通り『肩を並べて』座っているのか。
魅龍は、彼の父親が部屋に現れるまでの時間潰しに、現在に至るまでの経緯を回想してみた。
…あの後だ。
あの後、俺は到底こんなSF臭のする事態なんぞ認めたくはないが、『タイムスリップ』をしてきた総司に、家に泊めてくれとせがまれたんだ。
那由多家の飼い犬虎徹。
大の犬好き(あの後発覚)の沖田は、そのボーダーコリーに釣られて魅龍の前に姿を現したらしい。
―「いやぁ、その犬」「虎徹だ」
「…その虎徹があまりに可愛かったもんで、ずっと見てたんだよ。
そしたら警戒された挙句に君にも見付かっちゃったもんだからさ。
どうせ今晩泊まる先が無かったし」―
…そういうことなのだ。
しかも総司は悪びれもしない笑顔で答えやがった。
ただ犬に釣られて現れた総司。
あわよくば、飼い主である魅龍の家に泊めてもらおうと考えていたらしい。
最初のコメントを投稿しよう!