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―「ね、ここで逢ったも何かの縁だし、君ん家に一晩泊めてくれない?」
沖田総司。どうやら愛想だけは良い様だ。終始ニコニコの笑顔である。
しかし、言っている事は何気に図々しく、人にものを頼む様な態度ではない。
だが、僅かだが返り血に染まった顔で言われると…何か怖い。
ここで断ったら斬られそうな雰囲気すら感じた。
しかし魅龍は怯まない。両親やその他数名に鍛えられた結果、肝だけは据わっているのだ。
「断る。いきなりお前を連れてったら、親父に殺される」
キッパリと言い放つ。
ここで断らないと、本当に生命の危険に晒されるおそれがある。
魅龍も良心が痛まない訳ではない。
しかし、ここで総司を家に泊めるにはハイリスク過ぎるのだ。
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