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「──お、広吉?今からあれ持ってきて俺ん家こい。
・・・・・わかった。じゃあな」
貴也は嬉しそうにしながら慎二にガッツポーズをして電話を切った。
「あと5分で来るってよ」
五分後、窓がたたく音がした。貴也は立ち上がり窓を開けた。
そこには、顔まで隠れるほどの大量の雑誌を持った男がいた。広吉だ。
「ちぃす」
「おう、入れよ」
貴也が雑誌を受け取りながら言った。
「おじゃまします」
広吉は慣れた感じで窓からするりと入った。
「よ、広吉」
慎二が嬉しそうに言った。
「こんちは、慎二さん」
「ん?どうした広吉、口切れてるぞ?」
広吉はいきなりはっとしたようにそわそわし始めた。
「あ・・・これは、さっき雑誌って口切っちゃったみたいで」
「ならいいんだけどな」
慎二は笑顔で答えた。
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