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広吉が持ってきた雑誌には、ファッション雑誌、週間少年誌、パチンコ必勝法、写真集、なかにはエロ本までもがあった。
貴也と慎二は月の始めになると広吉にこうやって大量の雑誌を持って来てもらっている。
「今月のっす。またブロッカーの奴らに集めさせました」
広吉が少しだけ笑いながら言った。
ブロッカーとは広吉を慕っている後輩らが集まり、勝手に作った少数チームである。
「おお、いつもわりーな。これで授業中の暇つぶしできんな、慎二?」
「おう。サンキューな、広吉。ほら、お前も読めよ」
慎二がそう言った直後、突然、広吉のケータイの着信音が鳴りひびいた。
慎二は広吉の目が一瞬泳いだのを見逃さなかった。
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