聖女の福音

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空気はまだ肌寒い。

風が優しくブラウスを靡かせる。
まだまだ寒さが残るそれは３月。

いつものように放課後、私は学校の敷地にある寂れた旧校舎に向かう。

毛糸が伸びてしまいダボダボになり、おまけにボタンもとれかかったニットカーディガンを羽織り、ポケットに手を入れ季節外れの寒さに耐えるように身を縮ませてみたりする。

ブレザーが必要なんじゃないかと思うほど寒い。

まだまだ春が訪れそうな気配は私の世界には感じられない。