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遠慮。
フードや何かで髪を隠す。
きっと、アンバーはすぐにその方法を思い付いていたのだろう。
しかし、ルチルの気持ちに遠慮して様子を見ていたのだ。
結局拉致があかないと判断した彼は、その手段を選ぶことにしたわけである。
ルチルが感謝を述べる理由はそれだけではなく、彼は一切ルチルの過去や、髪を切った理由を問い詰めなかった。
彼女にとって、一番ありがたいこと。
「……行くぞ」
ぶっきらぼうな言葉とは裏腹に、彼の耳は真っ赤で。
けれど、ルチルは敢えて知らぬふりをした。
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