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アンバーの計らいにより、宿には無事問題なく宿泊が出来た。
普段は髪を隠すべきかもしれない、とルチルは思う。
自分1人ならまだ耐えたかもしれないが、アンバーまで巻き込んでは申し訳ない。
共に行く、と。
アンバーがそう申し出たときに、迷惑がかかることは分かっていた。
アンバーだって、ルチルの髪を見れば分かった筈。
それでも、彼はルチルと旅をすることを選んだ。
ルチルも、何故かアンバーの申し出を断れなかった。
いくら女性であることを捨てていても、現実彼女は女性なのだ。
やはり女1人での旅は難しいし、ルチルは戦いの面においてまだ素人の部類にいる。
戦力だって必要だったのだ。
ルチルは宿の一室で、ベッドに横になり思考を巡らせていた。
アンバーがとった部屋は2室。
浴室、手洗い、寝室のみのシンプルな安宿。
長く旅をすることを考えれば当然だろう。
さすがにルチルは一応女性であって、部屋は別にしてくれている。
ならば文句を言うわけにもいかない。
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