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「今夜、情報収集兼ねて酒場に行くつもりなんだが、ルチルはどうする?」
一応、この大陸において飲酒可能年齢は各地にて取り決めることになっている。
そのため、基本何歳でも酒場に入ること自体は可能なのだ。
もちろん18歳であるルチルも可能で、大体18ならば各地飲酒可能な場合が多い。
「酒場かぁ……、私こんな見た目だからやめておくわ。任せていい?」
「だな。任せとけ」
こういう、分かりきったことも一応確認するアンバーの細やかな気遣いが、ルチルは心地好かった。
粗雑な口調が目立つ青年だが、意外に几帳面だ。
「夕食は? 酒場行くなら食べずに行く?」
「そうするよ。ルチルは適当に食べておけ。部屋に持ってきてくれるらしいから、なるべく髪は隠しておけよ?」
アンバーの言葉に頷く。
じゃあな、と言い捨てアンバーはさっさと部屋を後にした。
なんとなく行き場のなくなった視線を窓に投げ、ルチルはぼんやりと、夕食の内容は何だろう、などとどうでもいいことに気持ちを向けた。
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