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たしかに、輝明は学校でも家でもいつも1人だった。
両親はそれぞれ働いていて、父は海外で仕事、
母は地元の広告業をしているので時々帰ってくるが、
会社の近くにあるアパートを借りているので
どっちみち家で輝明は1人だった。
1人というのは別にイジメにあってハブられているとかそういうのではなく、
ただ単に1人が好きだからだ。
クラスの中にはよく、誰にでも話しかけ、
沢山友達を作ろうとする人間がいるが
『そんなに沢山作ってどうするの?』
と、輝明は思う。
よく友達は一生の宝だとか言うけど、
実際は沢山いればいるほど気遣いや気苦労が絶えないのだ。
ましてや関係のない厄介事に巻き込まれるのはそれこそゴメンだ。
だから輝明は1人でいいと思った。
相手の表情や言動をいちいち気にしながら話さなくていいし、
なにより気楽だから。
そんなことを思いながら過ごしていた時、話しかけてきたのが浩二。
成岡浩二(ナリオカコウジ)だった。
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