日常 2

7/8
前へ
/15ページ
次へ
 彩乃介が茶道教室が終わったからと、再びガレンド喫茶に来ています。  柚木奏巳がガレンド喫茶の扉を開けたのは、ランチタイムも終わろうとしているときでした。  その奏巳が見た光景は、白い紙を振り上げるウェイトレス姿の女性と、カウンター席で両手を擦り合わせ懇願する着物姿の男性でした。  奏巳はその横を通りすぎると、二階に上がりました。 「いらっしゃいませ」  宗一郎が奏巳に声を掛けました。 「ホットココアとサラダを」 「かしこまりました」  奏巳はメニューを見ることなく、いつも自分が頼むものを冷静にオーダーしました。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加