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あッしがいる衛星天川から宇宙連邦の総本部があるメルケディエスまで凡そ数分。
本来、転送装置には使用申請ってのを出して受領されなくちゃならないんッスが、そこはまぁ役得ってヤツッス。ま、たとえ使わずとも船を出せば数十分で着くんッスがね。
さて、部屋の前に着いたはいいんッスが……一応挨拶はいりやすか。親しき中にもなんとやらと言いやすからねぇ~。
「アルフレッド~、入りや……おやまぁ、皆さんお揃いで、ど~したんッスか?」
あッしが部屋に入ると、そこには既に腰を降ろしてある12人の人。
あッしの前、ちょうど扉と向かい合うように置かれた高級感漂うオフィスチェアに掛けているのが1人。
そして、部屋の中央に据えられた円卓に掛けているのが11人。
で、入口付近に佇むあッし。
「雨雫。
貴様、いったいどこをほっつき歩いていた。残る十三機関長はお前だけだ。主役が遅れてどうする」
「いやぁ~すいやせん。
急にお尻が2つに割れたもんでねぇ~」
「阿呆か貴様。真面目にしろ。我々はお前の戯言を聞く為にわざわざ集まったわけではない」
「戯言? じゃあ戯れ言はオッケーなんッスか?」
「………」
うぇ……流石はギーシェ、まったく生真面目なんッスから。
にしても……アルフレッドがあんな風にあッしを喚び出した辺りから嫌な予感はしてやしたが、どうやらあッしがボケ倒しても進む類いの話じゃないようッスね。
それもそうッスか。なんせ、宇宙連邦総司令部総部長、そして十三機関長。宇宙でもっとも権力のある12人が雁首揃えてあッしを待ってたんッスもんねぇ~にょほほほ。
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