PastChapter―Ⅰ†発端…

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  「全員、揃ったな。 今回、諸君を極秘に喚び出したのは他でもない、十三機関長の欠員についてだ」 アルフレッドの、宇宙連邦総司令部総部長の言葉に場の空気が張り摘める。 それもその筈、十三機関長はその名の通り、各分野にて宇宙を統べる最高機関、『治安法務維持隊』(パトローナス)、『宣告者』(ジャッジ)、『器材搬統館』(ビークセクター)、『偵謀報告局』(インターポート)、『隠密機動衆』(サイレンティス)、『環境廻理敬視団』(エコマンド)、『情報称訂委員会』(サイバナッティック)、『通商監視規法会』(トレードレイク)、『査定執務室機関』(スナイザー)、『能力総合向上院』(ラディボード)、『法規統政所』(オフェンスガード)、『匿性捜査室』(シークレットレンジャー)、『超常現象研究署』(ミラクルミルレイト)、これら十三の機関の長達の総称。 それぞれの分野の第一人者だけが任命される宇宙最強の権力者。 そして、あッしを含めたこの十三機関長は互いを牽制し合う事で、莫大な権限を持ちながらも秩序と正義を保って宇宙を統率している……筈なんッスが、残念な事に現在は十三機関長ではなく十二機関長。 と言うのも開発、研究を司る第十番基甲能力総合向上院の院長(Dr')、稀代の発明王と讃えられたレオナルド・D・ティーチ氏が半年前の実験中の不慮の事故により爆死。 以来ずっと、院長の座は空席のまま。 原則として十三機関長に欠員は認められないんで、早急になんとかしなくちゃいけないんッスよねぇ~。    
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