一章

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気付いたら、いつの間にか外はすっかり暗くなっていた。 生徒会室に一人、窓の外を見ながら溜め息をつく。 明日までに完成させないといけない資料があるので、遅くまで残って資料作りに勤しんできたが、なかなか終わりが見えないでいる。 そもそも一人でなければこんな仕事、大したこと無いはずだった。 しかし、生徒会長を筆頭に各部活動のエース級の生徒が揃い踏みした生徒会である。 どいつもこいつも春の大会が近いらしく生徒会より部活を優先してしまい、結果、生徒会の全ての仕事を俺一人が背負い込むことになったのだ。 まったく、しがない庶務役員の俺には荷が重いという奴だ。 しかしながら、いない人間や役職に愚痴を言ったところで、仕事が減る訳ではないのも、また現実である。
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