啄め 悪しき魂を

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一斉に食べ始める。 特に風隠は早食い、そして大食いである。 「おかわり!あの『すいはんき』ってのはどこだ?」 一番に風隠が食べ終わり、周りをきょろきょろと見渡す。 「そちらですよ」 と、隠憐が風隠の右後ろを指差す。 風隠は振り向き、嬉しそうに炊飯器を開けて白飯を茶碗に盛るのだった。 その様子を隠憐が微笑を浮かべながら訊ねる。 「そんなに炊飯器が気に入りましたか?」 風隠は顔に満面の笑みを浮かべて隠憐の方を向いた。 「超気に入った!飯をあっためたまま保存できるのが好きだ!それにこんなにたくさん飯が入ってる」 と言って風隠は炊飯器の蓋を閉める。 可那晦はその様子をじっと見ていたが、ついに笑みがこぼれた。 「あは、あははは」 風隠はいきなり笑い出した可那晦を見て目をぱちくりさせていた。 「いや、悪い。炊飯器について語るお前がおもしろくて…」 可那晦が理由を話すと、風隠は照れ笑いした。 冷名はそんな風隠を凝視して言った。 「いつもそんな大食いなのにどうして太らないんだろう。…全く、どこまでも女の敵ね」 小声だったため、風隠には聞こえなかったらしく、普通に箸を進めていた。
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