14人が本棚に入れています
本棚に追加
一斉に食べ始める。
特に風隠は早食い、そして大食いである。
「おかわり!あの『すいはんき』ってのはどこだ?」
一番に風隠が食べ終わり、周りをきょろきょろと見渡す。
「そちらですよ」
と、隠憐が風隠の右後ろを指差す。
風隠は振り向き、嬉しそうに炊飯器を開けて白飯を茶碗に盛るのだった。
その様子を隠憐が微笑を浮かべながら訊ねる。
「そんなに炊飯器が気に入りましたか?」
風隠は顔に満面の笑みを浮かべて隠憐の方を向いた。
「超気に入った!飯をあっためたまま保存できるのが好きだ!それにこんなにたくさん飯が入ってる」
と言って風隠は炊飯器の蓋を閉める。
可那晦はその様子をじっと見ていたが、ついに笑みがこぼれた。
「あは、あははは」
風隠はいきなり笑い出した可那晦を見て目をぱちくりさせていた。
「いや、悪い。炊飯器について語るお前がおもしろくて…」
可那晦が理由を話すと、風隠は照れ笑いした。
冷名はそんな風隠を凝視して言った。
「いつもそんな大食いなのにどうして太らないんだろう。…全く、どこまでも女の敵ね」
小声だったため、風隠には聞こえなかったらしく、普通に箸を進めていた。
最初のコメントを投稿しよう!