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誠「――――…ぁ………ぅ……ぁ…」
頑張って声を出そうとするも微かに出るだけで完全には出なかった。
医者はしばらく黙っていたが、やがてお姉さんの方に向き、口を開いた。
医者「どちらかはまだ、わからないんですがね、可能性が2つあるんですね」
女性「2つ?」
お姉さんが聞き返すと、医者はニッコリと笑って言った。
医者「はい。一つは、脳に損傷がある可能性です。頭をぶったみたいなのでもしかしたら、喋る機能をつかさどっている所をたまたま傷つけてしまった…という可能性があります。2つ目は、精神的ショックです。両親を目の前で亡くしてしまったのと、とてつもない恐怖に襲われたショックでほぼ出なくなった…という可能性もあります。まぁどちらにせよ、治るのにはとても時間がかかるという事になりますが…」
女性「そうですか…」
茶毛さん「母さん…だ、大丈夫だよ❗きっと❗」
赤ん坊「ママン、治らねえわけじゃあねえんだ。元気出せ」
女性「…そうよね❗ありがとう、ツーくん、リボーンちゃん❗ニコッ」
僕は今になって思った。
てかこの人達、誰?
お母さんとお父さんの知り合いかなんか?てかなんか見覚えがあるような…いや…ないかな?まぁ、いいや。
いろいろ考えていると、医者が心配そうに訪ねてきた。
医者「もしかして、恐いのかい?」
僕は慌てて首を横に振って、パクパクと掠れた声を出しながら必死に口を動かした。
誠「ぁ……ぅ………ぁ…ぁ……ぉ…」
頑張って伝えようと頑張っていると、茶毛のお兄さんが紙とペンを出してくれた。
茶毛さん「あの、これ使っていいよ❗こっちの方が伝えやすいし…」
僕はニコッと笑って受け取った。
〈ここから紙に書いた文字は『』この中に書いていきます❗〉
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