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◇
驚く私に殴られながらも、笑ってあやす年下くんは、デザートの器を手にり、スプーンですくったプティングを私の口の前に差し出す。
私は膨らませた頬を緩め、上目遣いに睨むと、少しだけ口を開いてスプーンを受け入れた。
甘いけれど、その後広がるほろ苦さ。
「俺、いい男になりますから」
「私を口説くなら、当たり前よ」
「じゃ、予約ってことで」
「は?」
首を傾げ、顔をしかめる私にカズトは目を細めて不敵に笑った。
「いつかアナタに捧げるプロポーズの、予約です」
求婚リザベーション
それはきっと、
「大学生のボキャブラリーって、陳腐ね」
「ひどいなぁ」
「ははっ……」
そう遠くない、恋の予感。
end
オマケ→
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