35人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
――二度と二人には近づかないで。
「は?」
「今ここでケイ番とかメアドとか繋がりあるもの消して」
「いや、あの……」
「住所わかってるだろうから、姉ちゃんはよそに引越しさせる」
「なに、言って、」
「アンタがあの日ワザとカズの店行ったの知ってんだよ」
指摘された言葉に絶句。
「けしかけたのはカズだろうけど、それにノッたアンタもアンタだ」
俺は彼の想いを甘く見ていた。
「カズは、小さい頃から株やってて、大学入る頃には三つの店持ってた。その内のひとつに姉ちゃん呼んで、決着つけたいって、シュンちゃんに言ったって」
「君は、それを聞かされたのか?」
「……」
無言は肯定を現すようで、
「なんて、奴だ……」
俺は目を見開いて、あの男の強かさを改めて知らされた。
最初のコメントを投稿しよう!