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「君は、それでいいのか?」
「……いいよ」
「でも、彼は君の、」
「カズは、はじめから姉ちゃんが好きだったし」
言葉が、これ以上でない。
「けど姉ちゃんブラコンだから、俺に目を付けたんだと思う」
「……」
「それも、はじめから解ってたし」
「それでも、君は……」
――彼が好きなのだろう?
店内は徐々に人が増え始めているのに、
「……そうだよ」
お互いに流れる空気だけは張り詰めていて、冷め切っている。
「アイツは、誰よりも姉ちゃん幸せに出来るから」
「コウ、」
「好きな人と、大切な人が、幸せになるなら」
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