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婚約者じゃないよ。
「え?」
「俺のプロポーズを保留にしたんだから」
「!?」
「……うそ」
シュンスケはそう言葉を残して、部屋から立ち去った。
私は、
「ユナ、さん」
「違うっ、私は、コウヘイがっ!」
彼の背中を追いかけることが出来ず、カズトの手を振り払っい、頭を抱える。
「あの子を1人にするわけにはいかないの!」
「でもあの人は実業家なんだろ?コウのことだって」
「気安くあの子の名前を言わないで!!」
私は勢いのまま手を振り上げ、
「っ!」
「……」
目線を下げていたカズトの頬を、平手打ちにした。
「どうして……」
自分でしたことなのに、
「なんで、避けないのよっ」
黙って打たれた彼に私は目を見開き震えた。
やり場に困った私の掌に、そっと手を伸ばし柔らかく握ると、
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