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「はい。それでは、銀先輩。青桐さん。紅……一歩先輩!さよなら!」
朽葉君は帰って行った。
ふぅ。まったく……今日は、なんて日かしら。
禍霊は出てくるわ、紅ちゃんは知らない子を連れてくるわ、事の重大さがわかってるの……?
「先に失礼します。明日香先輩。紅戸先輩」
フーちゃんも帰っていった。そこに紅ちゃんが便乗する。
「オレも今日は……」
「紅ちゃん?」
もう限界よ。ハッキリ、言わなくちゃ。
「何のつもりなの?今日の紅ちゃん変よ。ボーッとするし、知らない子を連れてくるし、何?あの朽葉って子は?私達のこと、バレちゃったじゃない。どうするつもりなの?」
悪いけど、アタシの真面目はこれよ。……紅ちゃんにしか見せないけど。
「…………」
黙りを決め込む紅ちゃん。
「私は紅ちゃんじゃないから、わからない。教えてよ」
「……アイツ、苛められてた」
あの顔の痣を見ればそうよね。でも、理由にならない。
「だから?よくある話よ。」
「…………」
紅ちゃんは今まで見たことのない恐ろしい目つきでアタシを睨む。
憎悪に満ちている。
頭の血が引いていき、冷静になっていく……
ちょっと、八つ当たりしすぎたかな。
アタシもまだまだ子供ね……
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