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「そろそろ花道も終了よ。シャキッとしなさいな」
「「……」」
……そっか。もう終わりか。ふと、校舎の方を振り返る。
「……」
三年間通った、大きな古びた校舎、校庭、体育館。それぞれに思い出がある。……まだ感慨深くはなってない、けど。
「……」
一度泣き止んだ空花が俺と同じく校舎を見上げている。その横顔は寂しそうで、そして儚かった。
――そして、現在――
「なーんか、あっという間に終わったなー」
卒業式を終えた帰り道。殆どの面々と別れ、今は空花と昴、早波の、どこか懐かしい四人での帰宅路だ。
「だろうな。早波の答辞からお前、寝てたし」
「……へえぇ?」
「ばっ、優馬!言うなよ!……はっ」
「寝るなんていい度胸してるじゃない、昴……何本折ろうか?十、二十?」
「おかしいおかしい!単位がおかし、あ、じゃあぁぁぁ!!!」
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