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「大丈夫ですか!?」
凪は、倒れた人を見るのははじめてだった。
思わず駆け寄り、濡れるのも構わず跪いてその人をひっぱる。
長く水のなかにあったせいか、手は冷たくふやけ、服も濡れて重い。
「くっ!!」
凪は片腕を掴み、立ち上がってひっぱる。
流れに逆らって、ズズズ、とその人はやがて姿を完全に坂の上へあらわした。
凪はひとまず、その人を水のあたらない場所まで引きずり、息をはいた。
ながい深紅のマント、フードに隠れた顔。
フードからこぼれて水に流されている、長い髪の毛はお世辞にも言えない、錆びた鉄棒のような色。
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