-ある男-

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「大丈夫ですか!?」 胸を叩いてみる。 ふくらみがない胸板は―男の人だ。 息を確認しようと、隠れた顔からフードをはらい、凪は絶句した。 顔中…いや、目の下から…顔の下半分が包帯でぐるぐるにされていたのだ。 かろうじて、鼻穴のところはぐるぐるされていなかったが… 我にかえって、鼻のしたに指をあてる。 かすかに、風が指を撫でた。
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