-ある男-

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凪は男の体をしっかり拭き終わると、 滋養強壮の薬草を探しに、再び岩壁を登った。 草と、ついでに乾いた枝も拾い集め、 洞穴近くで火をおこした時には、もう太陽も傾きはじめていた。 草を火であぶって、皿代わりの葉っぱの上ですりつぶす。 川から少し水を汲んで、まぜる。 これで、完成。 「ああ本当に、ルー爺に感謝」 そんなことを言いながら、凪は問答無用とばかり、包帯をこじ開け、男の口へそれを流し込んだ。 ちなみに、それは死ぬほど苦い。
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