-ある男-

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「絶対だめ!!わたしが飲ませたのはただの気付け薬だもの」 凪は立ち上がって、弓を肩にかけた。 「あなた歩ける?」 男はシャツを羽織って顔をしかめた。 「…どこへ行く気だ?」 「ルー爺の家。ルー爺は境界守りだから、迷子の面倒を見てくれるのよ」 「迷子…?」 「あなた迷子でしょ、明らかに」 男の目尻が動いたので、たぶん包帯の下で笑ったのだろう。 「おとなしくついてきなさい」 凪は、男がよろよろと立ち上がるのを待つ。
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