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うたは3年生の居る廊下に向かいある人物から本を借り、そのまま読み歩きしていると遠くから楽しそうに笑いながら走る生徒とそれを般若のような顔で追いかける生徒がいた
うたはそれに目もくれず本を読み続ける
(またやってるのか…あの2人)
そう思いながら本に集中しようとし文字を読もうとしたが2人の生徒の声が段々大きくなっていくのがわかった
(元気なのはいいんだけど…元気過ぎだよ。一体何やってるんだろう?)
なんて暢気(のんき)に考え本をパタンと閉じるとうたは一度立ち止まり後ろを振り向くとフードが特徴な生徒が「おっと」と言いながら目の前にいるうたをひょいっと軽く避ける
だが次の瞬間にうたの目の前には追いかけていた生徒に思いきりゴチンと鈍い音と共に衝撃を受けその生徒と共に廊下に倒れた
『いてー…ん?あー唇切れてるな…』
と唇を押さえつつ上半身起き上がると銀色で鳥みたいに鋭い嘴(くちばし)のような前髪をした生徒の顔が目の前にあった
(こ、こえー!!うわっ、唇切れてるよ!自分のせいか!?立ち止まった自分のせいなのか!?)
うたは慌てたがそれを表情に出さず(少し青ざめているが)驚いていた
(一番関わりたくない人!!どうする自分!!あ、保険室に早く連れて…いや無理だ。この人こわいし凶王って呼ばれてるじゃんか。“貴様、私に傷付けたな!”とか言って斬首されるよ!どーする!?あー…取り敢えず…)
『スミマセンでしたー!』
「!?ま、待て!!」
それを言うと生徒を押し退けて素早く廊下に落ちていた本を拾い上げ全力で自分の教室に走って行った
(待てと言われても待てないよ!!だってキミコワイし!!あー学校に行きたくないよ。自分終わったな…)
(……あの方は)
(三成ー大丈夫か?)
(っ!?イエヤスゥウウ!!)
(おっ、大丈夫そうだな)
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