笑った表情

5/16
前へ
/788ページ
次へ
その人は、朝と同じスーツ・・・深井さんだ。 「ちょっと、莉子!聞いてるの?!」 眞由美が、後ろ姿をずっと見つめている私に気付いた。 「莉子、どうしたの?知り合いとすれ違いでもした?」 「え?いや、なんでもないよ」 と、私ははぐらかしたけれど、 深井さんの後ろ姿が、私にはなぜかかわいそうに見えたのだ。 さっきすれ違った深井さんは、孤独な雰囲気で、早歩きをしているところも、どこか寂しげだったから。
/788ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加