174人が本棚に入れています
本棚に追加
その人は、朝と同じスーツ・・・深井さんだ。
「ちょっと、莉子!聞いてるの?!」
眞由美が、後ろ姿をずっと見つめている私に気付いた。
「莉子、どうしたの?知り合いとすれ違いでもした?」
「え?いや、なんでもないよ」
と、私ははぐらかしたけれど、
深井さんの後ろ姿が、私にはなぜかかわいそうに見えたのだ。
さっきすれ違った深井さんは、孤独な雰囲気で、早歩きをしているところも、どこか寂しげだったから。
最初のコメントを投稿しよう!