江南雅和

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 まだ、目的が達成されていないので迷ったが、座れるスペースは残り少ないようなので、明彦の隣へ腰を下ろした。 「誰か探してんの?」  挙動不審な感じで辺りを見回す雅和の姿を見て、明彦は言った。 「いや、心理学に出席してる男性と女性の比率はどれくらいかなって思って」 「相変わらずだな」  明彦は、ハハッと笑った。その笑顔は人気俳優にも劣らない爽やかさだ。  雅和は女性を探すのを諦めて明彦に目を向けた。  くっきりとした二重瞼、ハーフかと思ってしまうほど高い鼻。明彦は男から見てもカッコいいと思ってしまうほど整った顔立ちだ。 「そんなに急に変われないよ」 「そうだな。夏休みにバイトで一緒だったから、それほど日は経ってない」また、明彦は笑った。
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