黒川絵亜莉

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「やっと来た!」  黒川絵亜莉は郵便受けから封筒を取り出した。  3通の封筒が入っていた。2通は単なるダイレクトメールのようだ。  あと1通の表書きをじっくりと眺める。  送り主は、ムーンライトミュージック。絵亜莉が待っていたものだ。  その封筒の口を破ろうとするが止めて、玄関へ向かって歩き出す。  すぐにでも内容を確認したいけれど、部屋に戻ってキレイに開封することにした。  内容次第では保存するかもしれないからだ。 二、三歩歩いたところで、絵亜莉は自分の足取りがいつもと違うことに気付いた。  無意識にスキップをしていたらしい。内容次第では落ち込むことになるのに気持ちが先走りし過ぎたようだ。  絵亜莉は立ち止まり、一呼吸したあとで、ゆっくりと歩きだした。
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