5人が本棚に入れています
本棚に追加
雅和は学生アパート双葉の駐輪場に停めてあった白い折り畳み自転車をこぎ出す。
このアパートは二階建てで、所々、サビている古い建物だったが、家賃が安かったので決めた。
と、いうのは建て前で、S短期大学のすぐ裏に建っていて女子大生との出会いがありそうというのが本当の決め手だった。
しかし、隣の女子大生の顔さえ知らないまま半年過ぎているのが現実だった。
S短大の裏道を抜けて国道に出た。国道を5分ほど走ると雅和が通うS大学に着く。
今日は昨日よりも気温が高い。9月後半に入ったのに真夏のような暑さだった。
歩道を歩く人たちも、タンクトップや、ショートパンツを身につけていて秋の気配は感じられない。
最初のコメントを投稿しよう!