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「あぁ知っちょるよ?」
宮川助五郎は前年九月、三条大橋で幕府の制札を除去しようとしたが、新撰組により重傷を負わされ、壬生屯所に収容されていた。
「実はな…その宮川が、放免されるらしいんじゃ」
「ほんまかいの!?」
竜馬は「そりゃ、良かったの―」と喜んだ。
しかし、中岡の顔は決して微笑んではいなかった。
「ところがの…放免されたは良いが、宮川を引き取ってくれる者がおらんのじゃ」
宮川は、竜馬や中岡と同じ土佐藩脱藩浪士だった。
脱藩した者を、土佐藩が引き取る訳もなく、竜馬か中岡しか頼る者がいない状況だった。
「そこでの、わしも宮川を引き取りたいんじゃが、用心の為、居場所を知られるわけにもいかんし、どういたら良いか竜馬に相談に来たっちゅう訳じゃ」
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