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「にゃのー……」
「は、ハイッ!」
「こんにちは♪」
「あ、こんにちはー」
……。
って違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!
「こ、こんにちはじゃねェよ! お前は誰だ?」
「にゃん? 私の名前?」
そう言ってコクンと首を傾げる。
「ああ、まずは名前からだ」
「えっとね、私の名前はサーナ・クロアイ・ラピュナータっていうんだよ」
「あ、サーナちゃんね」
(名前長ッ!)
というよりも何人だ?
いや、それよりも、
「そのサーナさんは、なんで段ボールに?」
「それはね、話すと長くなるんだけど……一言で、逃げてきたんだよ」
「あ、逃げてきた……って、逃げてきた!?」
「そう。私は何日か前まではロシアに住んでたんだけど、狩人に見つかっちゃって」
「待て待て待て。そもそも、なんで追われてんだよ」
「私はね、吸血鬼だから」
「……へ?」
キュウケツキって、あの吸血鬼なのか!?
脳裏には、牙がハンパないゾンビのような吸血鬼を想像した……。
「どこから見ても猫属性にしか見えんが」
「ああ、これ?」
と、ピクピク動く耳を触りながら笑うサーナという少女。
「私は普通の人間じゃないからね」
「うん、うん……普通の人間の耳は横にあって頭にはないからな」
「そこだけじゃなくて! 私は血を吸わなきゃ生きて行けないの!!」
「血を!?」
でも、理由になってませんよー、猫耳の。
「うん。私は食事からとる栄養の他に血という栄養をとらなくてはいけないの」
「はぁ……。あ……ま、待てよ、だからって俺のはヤメロよ!!」
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