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「邪魔って意味はね、私達の血液が流れることで、騎士の力が弱まるらしいの」
「力が弱まるって、そんな力をつける必要があんのかよ」
「騎士達は、日本という神から独立した国を恨んでいる。それと同じく、恐れてもいる」
恨み……?
「恨みをなんで持ってんのかは分からんが、なぜに恐れてんだ? もしかして強力な自衛隊とか?」
違う、とサーナはテーブルの上にあった菓子である、小さなグミを並べてゆく。
「これが騎士達」
と、紫のグミを左側に。
「そしてこれが日本、これが吸血鬼達」
日本は緑、吸血鬼は赤いグミだ。
なんかの略図でもするのか?
「私達吸血鬼は、騎士と対立していたの」
と、騎士グミと吸血鬼グミを対立に置く。
そしてその間に日本グミが騎士の壁となるように割り込んでいる。
「この日本は、吸血鬼最後の希望をかくまったとして、邪魔から超邪魔になったわけ」
「……」
この一会話には、ツッコミ場所がある。
まずは、なぜグミ?
次に、勝手に来たくせに日本のせいになっている?
「……ふざけてる……」
「あ、あと、迷える子猫を拾った生き物は、騎士達から最重要邪魔者として見られるだろう!」
「さ、最重要邪魔者……!?」
「すなわち、私よりも先に殺されるターゲットってわけ」
その言葉は、不可抗力という単語がお似合いだった。
そして明希は絶句する。
この家の屋根を吹き飛ばさんとばかりに。
「ふざけんなァァァァァァァァァアアアアアアアアア!!」
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