5人が本棚に入れています
本棚に追加
1
あの後、明希は頭を抱えてソファーに蹲(うずくま)っていた。
それと一方、サーナはカーペットの上でにゃんにゃんにゃんにゃん言いながらコロコロ転がっている。
明希は頭を抱えて、サーナの言ってたことを整理してみた。
まずは、吸血鬼と騎士という二つの未知なる世界があるということ。
そしてその二つの世界は対立し、争っているらしい。
先程サーナから聞いたのだが、明希がサーナを匿(かくま)う前に、日本は騎士に狙われていたというのだ。
それは、世界で唯一に、騎士勢力がない国だからであるそうだ。
騎士は吸血鬼達を憎んでいる。
それは吸血鬼が生きることで、騎士の力が弱まるというのだ。
その為、何日か前には本拠地にしていたロシアの吸血鬼達が襲われ、ほぼ全滅。
その中に生き残ったのがサーナだ。
そのサーナを明希の家に送ったのは、もう亡くなったであろう吸血鬼のボス。
明希に送った理由は、明希に流れる特別な血。
それを吸った吸血鬼には計り知れない力が宿るという。
これもまた先程聞いたのだが、どうやら遺伝などは関係がないらしく、家族とは無縁らしい。
一体どういうことやら。
そして血と共に匿うこととなった明希は、最重要排除目的となったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!