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玉座の横に置かれた、丸くて小さくて白いサイドテーブルの上の古びた本に手を伸ばす。
この白い本は歴史を記すもの。例え時が巻き戻されようとも、ここに記された事実をなかったことにはできない。
――狂え、狂え。腐った世界よ。
誰かが云った。今の女神は『失敗作』だと。
それを否定するつもりはない。元から私は……――
――狂え、狂え。哀れな子供たちよ。
その身に刻め。世界が巻き戻された真実を。
この世界こそ『失敗作』であるということを。
気の狂った『失敗作』である女神が生み出した狂った世界。
これを『神の失敗作』と云わずに、なんと云うのだろうか。
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