Ep.02 愛の突撃大作戦!

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それでは突撃開始。 「おっじゃましまーす」 足を伸ばせば愛川さんの部屋に届くほどの距離。 「ちょっ、アンタなにしてんのよ!?」 「まぁそんなこと言わずに~」 勝手に人の家に上がり込んでいるただの変態、と言われても仕方がない。僕は女の子が好き、いや、大好きだ。 「アンタ、これ不法侵入なんだからね!?」 「そっか……。じゃあ、帰ろっかな~?」 「それはダメ!」 帰ろうとする(帰るつもりは全くない)僕は、愛川さんに手を掴まれた。……それも両手で。 「帰っちゃうの……?」 「じ、冗談に決まってるじゃんか~。ハッハッハ」 そりゃあ~、こんなに可愛い子が上目遣いでそんなこと言われたらもう……。 「ほい、肉じゃが。ちょっと味薄いかもだから」 「ありがと。冷蔵庫に入れてくるからゆっくりしといてね」 愛川さんはトコトコと下りていった。 「ピンクの水玉……」 ピンクの水玉パジャマってすっげー可愛い! 「女の子の部屋ってこんな感じなんだ~」 薄いピンクの壁紙に、たぶん愛川さんが好きなアーティストのポスターを4枚貼っている。 「お待たせ。なにも触ってないわよね!? 触ってたら百万回コロス……」 「触ってないよ~」 ベッドとか布団とか触りたくて仕方ないけどな。あぁ~、自分で自分を抑えられねぇ! 「下に親とかいるの?」 「いるよ。まさか、挨拶に……!?」 「違うわ! ……いいの?」 「ダメに決まってるでしょ、アホ!」 「まぁその内させてもらう予定なんだけどさ~、愛川さんって僕のこと好きだったりするの?」 愛川さんは急に僕に背を向けた。 「嫌い、じゃないよ」 「じゃあ好き?」 「好き、でもないよ」 「じゃあ、僕とゴキブリだったらどっちが好き?」 「アンタに決まってるでしょ!?」 「ヨッシャー!」 ゴキブリより僕のほうが好きなんだ。よかった。ゴキブリのほうが好きだったら、僕は窓から飛び下りていたかもしれない。 「なんで後ろ向いてんの~?」 「特に意味はないわ!」 「あぁ、そう」 愛川さんの耳が赤いのが丸分かりだ。僕に襲われるのにビビってしまったか、僕に会えてドキドキしてしまったか。 「愛川さんもう寝ちゃうでしょ? だったらもう帰るね」 窓枠に手をかけた時に、 「待って!」 と一言。『もうちょっとここにいてくれないと寂しいから、ずっとわたしと一緒にいなさい!』とか言い出すのか?
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