Ep.02 愛の突撃大作戦!

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なんと玄関に、傘を杖代わりにして仁王立ちしている愛川さんがそこにいた。 「それはこっちのセリフなんだけど……?」 「ピンポン押しても反応ないから入ってきてやったのよ」 「はぁ……」 「さぁ、行くわよ!」 色々とツッコみたいのだが、制服の袖を引っ張られている僕はそれどころではなかった。 「雨降ってる」 「傘差せば?」 「…………」 分かってるさ。彼女は相合い傘をしたがっているということを。その証拠に、愛川さんが傘の脚を親指と人差し指でへし折った。 「差さないの?」 「壊れた……」 壊したの間違いだけど。 「相合い傘がしたいのですか?」 「バッ、バカ! 誰もそんなこと言ってないでしょ!?」 顔を真っ赤にして言われると説得力が全くない。 「風邪引いたりしたら大変だから入んな」 実は家にもう1本傘があるのは内緒だ。 「だ、誰かに見られたらどう責任取ってくれるつもりなのよ!?」 「だったらこれ使え!」 僕は傘を差し、愛川さんに差し出す。 「だったらアンタが濡れちゃうじゃない!?」 「こんなに可愛い女の子を濡らすわけにはいかないだろ?」 愛川さんの顔が真っ赤になる。 「それじゃあわたしが悪いじゃない!」 「だったら一緒に入るか?」 「アンタがそうしたいんだったら……」 カギを閉め、学校に向かって歩く。後ろからカバンを頭に押さえて愛川さんが駆けてくる。 「イジワル~」 「そんなつもりはないんだけどな~――ってちょっと!」 結局相合い傘ですか。 まぁ、腕に抱きつかれてるからいっか。 「まだ『友達』のままなの?」 「そうよ!」 「腕に抱きついてるのにか?」 「そ、そうよ、友達! それにこうしとかないとわたしが濡れちゃうし」 僕の右肩が濡れているのだが……。まぁ、好きな子のためならこれくらい苦にはならないな。 学校に着くや否や、愛川さんは傘から飛び出した。見られるのが嫌らしい。女の子の気持ちはよく分からない。男はもっとこのままでいたいと思うのだろうが……。 ドタドタと後ろから誰かが走ってきた。多分アイツだ。アイツしかいない!僕はソイツを無視して教室に向かい歩いていると、ソイツが僕の前に立ちふさがった。 「北斗百烈拳!」 「はいはい……あべしあべし」 「つれねぇなぁ……」
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