Ep.01 初めての告白

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高校に入学し、新たな友達や先生、部活にも慣れ始めた5月。まぁ、僕は部活に入っていないが。 軽く自己紹介をしよう。僕の名前は高原崇志(たかはらたかし)だ。好きなものは女の子や甘いお菓子やケーキ。嫌いなものは……特にない。 今日はゴールデン・ウィークが明け、最初の授業の日だ。雲1つない快晴。田んぼのあぜみちで1つ伸びをする。自然と大きなあくびが出る。 1人で登校するのにはもう慣れた。僕んちの近くに誰も友達が住んでいない。だから、朝のお供はiPodになる。 「はぁ~、今日もか」 教室はまだ閉まっていた。つまり、僕が一番初めにやって来たわけだ。 「めんどくせ」 職員室に向かい歩く。 「失礼しま~す」 教室のカギが掛けられている場所まで最短距離で歩き、さっさと職員室を後にする。 「失礼しました~」 教室にカギを通し、教卓の上に置いておく。 自分の席(窓側2列目)まで歩き、カバンを枕にして寝る。これが僕の朝休憩の過ごし方。 キーンコーンカーンコーン そしてホームルーム開始のチャイムで目を覚ます。 大半の生徒達は自分の席に座り、周りの友達と会話をして先生が来るのを待っている。……僕も誰かと話がしたい。 友達がいないわけではない。周りに男がいないだけなのだ。最初の席替えでこれはないでしょ~! けど、この場所でよかったと思う。 隣の席の女の子がとびきり可愛いのだ。 165cmくらいある身長にキレイな茶髪でポニーテール。パッチリとした大きな目に柔らかそうな唇。とにかく可愛いのだ。 彼女の名前は愛川鈴音(あいかわすずね)。噂によれば彼氏はいないらしい。この席になった時から僕は愛川さんに告白しようと決めた。 決めたはいいものの、きっかけがない。 例えば食パンをくわえていると、電柱のある曲がり角でごっつんこ。ぶつかった子が実は転校生、なんてことはない。 例えば暗い路地裏で不良に絡まれていて、颯爽と不良を蹴散らした、なんてこともない。 このままだと何もできないのではないか、と思うようになった。 女の子と会話したことがない僕にとって、愛川さんと話をするのは高すぎる壁だ。 しかし、なななんと、今日は小さなきっかけが訪れたのだ。
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