Ep.01 初めての告白

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帰り道。 僕の通っている高校の向かい側に公園があり、それをはさんで小学校がある。そのため、3時頃になると車が一切通らなくなる。 「ただいま~」 返事はない。それは当たり前だ。僕は一軒家に1人暮らしだからだ。 玄関に上がると右側に階段があり、その隣にリビングに続くドアがある。リビングと台所は大きな1つの部屋になっていて、ほとんどの私物はここに集結している。僕の部屋にはベッドと勉強机くらいだ。 僕が1人暮らしをするようになったわけは、高校に入学する直前、父が仕事の関係でスイスへ出張に行った。母は父を心配して一緒についていった。我が子は心配ではないのですか!?まぁ、毎月5万円程度お金が届くので、1人でも不自由なく生活できている。料理を作るスキルも身についたしね。 「4時か……」 寝よう。リビングのソファに寝転がる。その時、 ピンポーン チャイムが鳴った。居留守を決め込むつもりだったのだが、北斗百裂拳の如くインターホンを連打する。近所のおばちゃんではないことがハッキリした。 そーっと覗き窓から外の様子を伺うと、愛川さんが回覧板を抱えていた。 いきなりのことすぎて、僕は玄関の扉に頭を思いっきりぶつけた。 「いてっ!」 インターホンが鳴り止んだかと思えば、次はドアノブをガチャガチャし始めた。まさか僕を殺しに来たのか!?回覧板を届けにきたと思わせる作戦か!? 「留守か~。また後で来よ」 来ないでくれー! ソファに寝転がる。こうしていても注意する人がいないから平和だ。1人暮らしもなかなか悪くないと思う。 「ふわぁ~! 今日は何しよっかな~」 7時過ぎに目を覚まし、早速夕飯の支度を始める。 「ハンバーグでいっか」 この1ヶ月で料理のレパートリーが格段に増え、その中でも一番得意なのがハンバーグだ。週に1回はそれを作っている。 「いただきます」 1人暮らしをして未だに慣れないのが、一緒にご飯を食べてくれる人がいないことだ。それと、『ただいま』と言っても『お帰り』と返してくれる人がいないことだ。 「寂しいな……」 テレビを見ながら1人夕飯を食べる。 「ごちそうさま~」 食器を洗い風呂に入る。 部屋に行き、僕はiPodをスリープタイマーに設定してすぐに眠りについた。
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