Ep.01 初めての告白

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「ふわぁ~!」 午前6時半。今日もいつもの時間に目が覚める。 ジャージのまま台所に行く。朝食のメニューは……焼き魚と玉子焼きくらいででいいかな。 「お~、我ながら見事に完成したな」 自画自賛。 「いただきます。……うぉ、前よりうまい!」 料理がどんどん上手くなっているのが、自分でも分かる。1ヶ月前まで玉子焼きすら作れなかったのに、若者はのみこみが速い。 自分の部屋に戻り、制服に着替え今日の授業の準備を始める。 「うしっ、さっさと行こうか!」 グルグル巻かれたイヤフォンをほどき、iPodを胸ポケットに忍ばせる。 「あれ、もう誰か来てる……」 いつもは誰もいない早い時間だが、今日はもう誰か来ている。 「あ、愛川さん……」 「あー、やっと来たー」 ……えっ、まさか僕を待ってたの!?僕がこの時間に来ているのを知っている。さらに昨日は古典の教科書を愛川さんと机をくっつけて見せた。間違いない、これは告白だ! 高ぶる僕のテンション。一体どんな言葉で告白してくれるのだろうか。 「高原くんに大事な話があるの……」 キター!大事な話ったらやっぱり告白だ! いや待て。昨日の回覧板の件もあるし……。 「な、なに?」 「あのね――」 愛川さんは顔を赤くして手を組んだりほどいたりする。……可愛い、可愛すぎるぞコノヤロウー! 「古典のノートを見せてくれないかな~、と思って。昨日ノートも忘れちゃってたから……」 「からの~?」 「古典のノートを見せてください」 告白、じゃない。そんな……。 「それは全然いいんだけど……」 言うか、言わないか。今言うと授業に集中できそうにないし……。でも、教室にいるのは僕と愛川さんだけ。絶好のチャンスだ。……よしっ! 「僕と付き合ってください!」 「無理!」 即答かよ!?即答されると深く傷つく……。少しくらい考えてくれても……。 「メアドなら教えてもいいよ」 「え、マジで!?」 ヨッシャー! 愛川さんは胸ポケットから携帯を取り出した。 「さっさと携帯出しなさいよ」 「は、はい」 赤外線受信にして愛川さんのメアドをGET!生きててよかったー! 「アンタのメアド送んなさいよ」 「はいっ!」 軽くテンパってしまっている僕。愛川さんのメアドをもらったし、池っちにでも自慢しよう。 「ありがとうございました!」 「べ、別に礼なんていらないわよ!」
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