Ep.01 初めての告白

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「ねぇ」 「なに?」 「僕のどこが無理?」 「顔つき」 「えー!?」 「高原くん、なにかおかしいですか?」 先生はチョークを持ったまま振り向き注意する。 「いえ……」 1時間目、英語。僕は知らず知らずの内に愛川さんに話しかけていた。顔つきがアウトだったらどうしようもないが、僕の顔はそんなに酷いの? 休憩時間、愛川さんは友達の席へと移動すると感じた僕は彼女を呼び止めた。 「なに?」 「昨日、回覧板持って僕んち来た?」 「…………アンタの家だったの……?」 「そうだけど……」 愛川さんは何も返さず友達の席に行ってしまった。 「今日の崇志くんは積極的だな~」 今の会話を見ていたのか、池っちがニヤニヤしながら僕の席に来る。 「池っち、僕頑張るよ」 「お、おぅ……」 『なにを?』と、ツッコミたそうな顔をする。 学校での愛川さんとの会話は1時間目のアレだけとなった。 放課後になり、池っちと共にトイレ掃除に行き、愛川さんに話しかける勇気を持てず、1人曲を聞きながらあぜみちを歩く。 「……なんで……?」 家の前に愛川さんが制服を着たまま立っていた。今度は待ち伏せか!? 「なにをしていらっしゃるのですか?」 「はい、回覧板」 「どうも」 愛川さんは僕の胸に回覧板を押し当て、彼女は隣の家へ駆け込んだ。えっ、なんで隣!? 隣の家の表札を見ると『愛川』とあった。えっと……お隣さん? 「なんで今まで気付かなかったんだー!?」 いつでも適当に用事を作って会いに行けるじゃないか!15年とちょっと生きてきたが、これほど驚いたことはないと思う。 ピンポーン 僕はお隣さんのインターホンを押す。 「はーい」 制服のまま玄関からヒョコッと愛川さんが出てきた。僕の顔を見るなり嫌そうな表情をしないでください。凄く傷つきます。 「家が隣だなんてすっごい偶然だね!? どうして今まで気付かなかったのかなー!?」 「知るか!」 バタンと勢いよく玄関の扉を閉められた。 携帯をいじりながら家に帰る。家の中は少しヒンヤリする。 「まさか愛川さんの家が隣だったとはな……」 愛川さん家の方向へ出かける用事もないし、この家に住み始めたのは高校に入学する2日前だったし、仕方ないっちゃあ仕方ない。 電話帳のカーソルを愛川さんにしてしばらくジッと見つめる。 「あんなこと言ってたけど、メアドはもらっちゃったんだよな~」
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