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朝もらったのは愛川さんの個人データにあったメアドだけではなく、電話番号まで登録されていた。電話番号はさておき、メアドが女の子っぽくて凄く可愛い。僕のメアドなんて自分の名前と生年月日を組み合わせたシンプルなものだ。メアドなんて何でもいいと思うんだけど……。
「メールしよっかな」
迷惑だろうけど一度メールをしてみよう。もう晩ごはん食べ終わったくらいの9時だし。
僕はもう晩ごはんを食べ終え、風呂にも入り、後は寝るだけとなった。
「ふぅー、結構緊張するなー」
恥ずかしながら僕は女の子にメールをしたことが今まで一度もなく、女の人のメアドで持っているのは母親だけだ。笑いたいやつは笑うがいいさ。僕の年齢=彼女いない歴なのだから。
明かりを点けベッドに顔から突っ込む。そのままうつ伏せになり、胸と敷き布団の間に枕を挟む。
「まずは告白したこと謝ったほうがいいのかな~」
メールの作成画面にし、文章の構成を考える。
「――できたっ!」
送信ボタンを押す親指がプルプル震えている。
「チクショー、送信!」
あーあ、送っちゃった。携帯の画面は『送信しました』と表示される。
メールを送った直後、お隣から愛川さんらしき人の叫び声が聞こえた。
「ギャー、メールきちゃったしー! ヤバ、メッチャドキドキするー!」
独り言にしては声が大きすぎないか?隣に兄弟でもいるのか?
「『いきなり告白してごめん』か~。私もいきなりだったからすぐに無理って言っちゃったし……。でも、告白されるの初めてだったし……。引き受けたほうがよかったのかな~?」
声がどんどん小さくなっているが、僕の耳にはしっかり届いている。最後の言葉が凄く引っかかる。
プルルル,プルルル
「(メールだ……愛川さんから)」
逆に僕の声も愛川さんに聞こえる危険性もあるため、大きなリアクションができない。
恐る恐る新着メールを確認する。
―――
From 愛川さん
本文:
いい迷惑よ‼
このわたしがアンタなんかと付き合うわけがないでしょ⁉
アンタばっかじゃない⁉
百万回くらい死んでみるのをオススメするわ‼
―END―
言ってることとメールの内容が……!面白そうなのでもう少し愛川さんとメールをして遊ぶとしよう。
僕は布団から静かに出て、愛川さん家の方の壁にもたれる。僕の頭の上には窓があり、隣の様子を見ることができるのだが、恐くてできない。
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