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壁にもたれたままメールを作成する。次は一体どんな反応をしてくれるのだろうか。
――
To 愛川さん
本文:
そうですよね……
僕みたいな男子じゃ全然嬉しくないよね😢
―END―
さぁ、なんと言って発狂するのか……。
「そんなことないんだからねっ! そりゃ、告白されて嬉しくない女の子なんていないんだから!」
ここまで声が大きいと、反対側の家の住人も聞こえているのではないのか?それと、これはわざとらしいのだが……。
プルルル,プルルル
さてさて、どんな返信が届いているのやら。
――
From 愛川さん
本文:
そりゃそうよ❗
アンタなんかから告白されたって、わたしは全然嬉しくなんかないんだから❗
わたしはもう寝るわ❗
―END―
ツンデレなのか?
僕はヒョコッと顔を窓から少し出し、お隣の部屋の様子をうかがう。カーテンで中は見えないが、電気を消したからか暗かった。それにしても、目と鼻の先に愛川さんの部屋が……!
翌日。いつものように教室に一番乗り。カバンを枕代わりにしてしばしの眠りにつく。背中に朝日が当たりとても暖かい。
今日はチャイムが鳴る5分程前に起きた。いや、起こされたと言うほうが適切かもしれない。
僕を起こす声が聞こえたので、目をうっすら開け右を見ると、愛川さんが僕の顔を覗き込んでいた。
「……おはようございます……」
「アンタっていっつもこの時間寝てるわね? 寝ないと死ぬの?」
朝休憩に寝ないと死んでしまう病気があれば、是非とも僕に教えていただきたい。
「朝からなんの用?」
「別に。アンタが寝てたから起こしたくなったの」
これほど迷惑な話しはないな。人が幸せそうに寝ているところを起こされる時の気持ちを考えてください。まぁ、愛川さんなら全然オッケーだ。むしろ肩をゆすって起こしてください!
「なにニヤニヤしてんのよ? キモい」
「いい夢を見た。愛川さんに起こしてもらう夢だったよ」
「はぁ!? 夢じゃなくて現実よ。アンタ、バッカじゃない!」
「バカではないのだが、いきなりなんの用?」
本当に起こすだけだったのか?
「……いいよ」
「は?」
「友達からならいいって言ってんのよ!」
あちゃ~。いきなり大きな声を出すから皆の視線がこっちに……。
視線は気にならなかった。なぜなら愛川さんと友達になれたからだ。
これで僕と愛川さんは友達(!?)になった。
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