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「僕が期待されている?」
優馬は首を傾げると、少女は大きく頷いた。
「そうよ、あんたは期待されている。今年、二年前にやった『月見の舞』を行うことになったのは、あんたの復活を町内の皆が待っているから。この踊りならあんたがやってくれるって皆が思ったからよ。あんたはそんな皆の期待を裏切るの?」
少女は優馬を見つめる。その瞳は嘘も見抜かれそうなぐらい綺麗な瞳で優馬は戸惑う。自分は今、何をすべきで何をやらなくてはいけないのか。さっきまでの自分は迷っていた。舞を踊れないのを全て人のせいにして閉じこもっていた。でも、彼女の言葉を聞いて暗い雲に覆われた心は一つの答えにたどり着いた。
「僕は……」
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