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無事に約束の準備場所である市民会館まで来ると、その前に由紀子は立っていた。修平の姿を見ると、修平に手を振る。
「シューちゃん、ギリギリね。ところで優馬は何処にいるの? 姿が見えないみたいだけど」
「すみません、由紀子さん。やっぱり優馬を説得できなかったです。優馬、俺みたいになりたかったって言ってました。泣きそうな顔で走っていて、追いかけられなかったです」
修平は目を伏せると、由紀子は彼の頭に手を置いて彼の頭を撫でた。
「シューちゃん、ありがとう。私はシューちゃんが優馬を説得しようとしてくれただけで嬉しかったわ」
修平はハッと顔を上げると、そこには泣いている由紀子が涙を手でぬぐっていた。その顔がさっきの優馬の顔と重なる。
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