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「まぁ……。これは間に合うか信じるしかなさそうね」
由紀子はハァーとため息を吐くと、修平を見つめる。
「ねぇ、シューちゃん。香坂さんが来るまでの間、時間稼ぎはできるかしら?」
「……この際、プログラムの大幅変更で最後に入れていた由紀子さんの舞を月見の舞と交換するのはできますか?」
修平はスタッフの方に尋ねる。
「それって月見の舞を最後にするってことですか? 私では判断することはできません。先生、それでも平気ですか?」
スタッフが由紀子に呼びかけると、由紀子は笑っていた。その顔には先程の涙が消えている。
「平気よ。なんだか久しぶりに面白いことが起きそう。ねぇ、シューちゃん?」
「そうですね、俺もそんな気がします」
「きっと香坂さんは優馬を連れてくるわ。きっと、香坂さんいえ朱里さんは優馬の未来のお嫁さん候補ね」
フフフと笑った由紀子は今日一番輝いていた。
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