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「母さん。僕、覚悟を決めたんだ。僕はこの道を続ける。父さんや母さんの踊りを引き継ぐために。今まで稽古を休んですみません。明日からまた一から指導、よろしくお願いします」
優馬は由紀子に頭を下げると由紀子はもういいのよと云って彼の頭を撫でる。
「ゆうまくーん? 俺にはなんもないのかな? お前は本当に薄情者だな」
その横で修平が般若のお面をかぶって優馬に話し掛けた。
「修平……。本当にごめん! でも、僕は修平みたいになりたかったのは本当なんだ」
「ほう……。俺になりたかった、ね。それを言ったらさ、俺がお前みたいになりたかったっての! このお騒がせ野郎が! 一発殴らせろ!」
修平はお面を外すと、優馬を逃がさないようにがっちりホールドする。
「わかったよ、この踊りが終わったら殴っていいよ」
「いや、お前がこれで懲りたっていうなら許してやらんこともない」
「修平、ありがとう」
優馬は微笑むと、修平は顔を赤くして照れる。それを朱里がからかうと着付けのためにみんな準備に入った。
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