十五夜に舞姫は舞ふ

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それから四年後――。 「懐かしい。見てみて、修平! これ、中二の頃の月見祭の写真だよ。わぁ、みんな若いね」  高校三年生になった優馬は修平とともに家の倉庫整理を任されていた。そして優馬は中学二年の時の月見祭の写真を見つけたというわけだ。写真には修平、由紀子、衣装を着た優馬と朱里が写っている。 現在、優馬は相変わらず日本舞踊を続け、修平は高校入学と同時に日本舞踊をやめた。現在は高校のバスケ部のエースだとか。 「なつかしいな。これ、お前が月見祭から逃げていた時のじゃね? それに隣の美少女、朱里だろ?」 「本当だ。朱里さんだね」 「お前と朱里の出会いってこの頃じゃなかったか? 今じゃ、お前にぞっこんだよな」 「そ、そんなことないよ。確かに、僕と朱里さんは付き合っているけど」
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