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季節は秋に変わり、銀杏の葉は緑から黄色、紅葉の葉が赤く染まり一般に紅葉狩りの季節が来た。
本日――九月十三日は此処、月見町(つきみちょう)では月見祭と呼ばれる秋祭りが行われる。伝統的なこの祭りの時期には周辺にある商店街、学校、町内会は祭りの準備で賑わい、多くの露店が並ぶ。そんななか、鷲崎優馬(わしざき ゆうま)は周修平(あまね しゅうへい)から逃げていた。
「ゆーうーまー! なんでお前は今日も稽古をサボるんだ! お前の母さんが今年こそお前を舞台に出させるって言っていたぞ。いい加減、稽古に出やがれ」
「嫌だよ、僕は今年も出ないって決めたんだ。やるならまた修平が踊ればいいじゃないか」
二人はこんな言い合いを続けながら優馬は逃げ、修平はその優馬をひたすら追いかける。優馬は普段着なのに対し、修平は本番用の着物を着ているため追いかけるのもギリギリの状態だ。
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