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――昔はあそこで踊るのが楽しいって思っていたな。緊張もしたし、逃げ出したいとも思ったけど、そこから流れる音楽を聴いて平常心でいられた。修平と僕でどっちが目立てるか競ったこともあったっけ。今は……、今の僕はあそこに立つことはないけど。
優馬は空を見上げる。空は青々としていて今日も快晴だ。しかし、彼はそんな空を見て自然と涙があふれた。あふれた涙は頬をつたい地面を湿らす。
――本当は、本当はあの舞台で今年こそ踊りたかった。でも、僕は踊れなくなってしまった。今まで当たり前にできていたあの動きもステップも中学に入ったら全てできなくなった。修平は変わらずできたのに。
「それは踊れないんじゃなくて、踊れないって自分が思っているだけじゃないの?」
「えっ……」
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